邪神たちの楽園 立ち読み
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ほとんそれなりの教養もあり、経済的にもそれなりの生活をしているって言うんですから、最近、問題になってる無戸籍ってわけでも無いみたいなんですよ。」 「へえー。戸籍がないのによく、学校なんか行けたわね。」  この時点で、彼女の記者魂がむくむくと首をもたげてきていた。  あるいは、それなりに立派に見える後輩への対抗意識があったのかもしれない。 「いや、それが奇妙なんですよ。仕事もせずに、殆ど毎日、家にいるって。学校もさることながら、仕事してないのに、どうして食べていけるのか?それにね、もっと不思議なのは・・・。」  この時点で、彼女はもう、記者に戻っている。だが、あくまで、世間話のふりで話を聞き続けた。  剛志にしてみれば、彼女が新聞記者をしているのは百も承知である。彼女の関心を惹きたいが為に、こういう仕事柄でしか耳に入らない話をしてい06

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