邪神たちの楽園 立ち読み
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かったのである。  その日、リカは式の後、二次会に流れ、それからさらに一部の有志と三次会に流れた。  その中に、当然、彼女を兄貴のように慕う剛志がいた。剛志は、今、親の後を継ぐべく、司法書士の見習いをしているということだった。  久しぶりにあった剛志は曲がりなりにも法律関係の仕事をしているからか、ちょっと、大人びていた。そんな中で、「戸籍のない男」の話を聞いたのである。 「戸籍がない?どういうこと?今問題になっている無戸籍の子供ってこと?それとも、日本に滞在する外国人ってことじゃないんだよね?」 「そうなんすよ。いやあ、うちに、あるお客さんが相談に見えましてね。日本人で結構、いい歳なんだけど戸籍がない人間がいるって。で、よく聞いたら、第一章 後輩 小森剛志05

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