photo俳句 2018年5月号
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へびいちご万能薬と言う老婆へびいちごの赤い実が緑の野原によく合う。以前、伊東の居酒屋で会った老婆が、ムカデにさされて膨らんでいた私の腕を見て、いきなりポケットから小瓶を出し、塗ってくれた。へびいちごをアルコールに漬けてそのエキスを抽出した液だという。なんにでも効くのだと自慢していた。でも、最近は、へびいちごが少なくなったと嘆いていた。その時。家の近くの道端にたくさん生えてると答えた記憶がある。へびいちごの実が赤くなるとそろそろ蛇が出てくる時期だというので、家人は、この道を避けて遠回りをする。

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