photo俳句 2018年5月号
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桑の実や幼き頃の帰り道日本の食糧事情がまだ悪かった小学生低学年のころ、学校帰りに、桑畑で桑の実を口いっぱいにほうばり、口の中が紫に染まったのを見て笑いあった思い出がよみがえる。そういえば、昼食時に庭に出ていく生徒も少なからずいた。貧乏で弁当を持ってこれずに校庭で水道の水を飲むのだった。ほどなく、給食が始まったが、休んだ子のコッペパンを届けたものだ。この時期、休む児童が多かったのだ。田植え時期は小学生も貴重な労働力だった。

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