大規模修繕工事新聞2020年2月号(第122号)
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5年一括保険料4高騰するマンション損害保険の対策(表1)令和元年10月1日改定 事故判定期間各社事故判定期間始期6か月前より(事故件数÷戸数)で判定(事例マンション)横浜市 昭和60年5月竣工 全30戸  延床面積 2,500㎡        基本補償:(水災不担保)(破損汚損担保) 費用保険:(調査費用補償)(臨時費用補償) 2019年は超大型台風15号、台風19号が関東地方に上陸し、全国各地でも河川の決壊、家屋の流出や浸水、強風による建物損壊、停電などが多かった1年でした。 この状況下、令和元年10月1日に大手損保会社が保険料を改定。さらに令和3年1月にも改定することが決まっています。 たび重なる風災、水災被害など自然災害による保険金支払い事例が多いことが、保険料を見直すきっかけになっていると考えられます。 保険料の値上げは管理組合財政を圧迫します。損保会社の動向や風災・水災被害の実態を踏まえ、マンション保険契約の再考が必要になるといえるでしょう。        <取材協力> ㈱グッド保険サービス 東京都渋谷区千駄ヶ谷1−19−9  0120−77−8160               専務取締役 伊藤昌弘氏 令和元年10月1日、マンション保険の保険料改定がありました。事故判定期間の事故件数によって保険料が増減するとしています。(表1)で各損保会社の事故判定期間を記載しました。 事故判定期間は各社によって、保険始期日(通常満期日)(表2)令和2年12月31日始期契約での各社保険料比較〈令和7年12月31日満期(5年契約)〉補償内容共用部分評価額約定付保割合270,000千円建物(共用部分)保険金額162,000千円施設賠償特約1億円(免責0円)1億円(免責0円)1億円(免責0円)1億円(免責0円)1億円(免責0円)1億円(免責0円)個人賠償包括(免責0円)備 考施設賠償の雨水の事故件数判定期間(R1.7.1~事故件数0件1,553,810円事故件数1件1,935,510円主契約:免責15万円事故件数2件賠償免責:5万円SJ社TK社270,000千円60%60%162,000千円3,000万円3,000万円(免責0円)施設賠償の雨水の浸入は免責浸入は免責(H31.7.1~R2.6.30)R2.6.30)1,427,230円2,456,170円SJ社TK社始期6か月前より過去1年過去2年I社162,000千円3,000万円(免責0円)施設賠償の雨水の施設賠償の雨水の浸入担保(R1.7.1~(H31.7.1~R2.6.30)1,952,640円3,004,480円要申請の6カ月前から過去1年、2年となっています。この期間の事故の件数によって大幅に保険料が増減するわけです。 (表2)は、令和3年1月1日の保険料率改定前の12月31日を始期契約と設定して、各社の保険料を比較してみました。事例マンションでは令和3年2月満期でしたが、I社始期6か月前より過去1年MS社始期6か月前より過去2年診断40/100点MS社NS社270,000千円162,000千円60%162,000千円3,000万円3,000万円(免責0円)(免責0円)施設賠償の雨水の浸入担保浸入は免責診断日より過去2年R2.6.30)2,340,710円1,834,990円1,834,990円3,120,870円2件超 要申請 補償条件変更有り診断60/100点NS社270,000千円60%162,000千円3,000万円(免責0円)施設賠償の雨水の浸入は免責診断日より過去2年1,190,910円1,190,910円NS社始期6か月前より過去1年0.05以上は補償条件相違大手損保会社の保険料、令和3年1月も改定マンション保険契約の再考が必要にたび重なる自然災害が起因

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