大規模修繕工事新聞2020年1月号(第121号)
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※機器固有の特性、伝送距離によっては交換しなくても伝送できる可能性のある機器もあります。管理組合で変更(改修)の必要がある主な機器機 器アンテナ(右左旋受信仕様)ブースター(3,224MHz仕様)アンテナからのテレビ信号を増幅する分配器(3,224MHz仕様)壁面端子(3,224MHz仕様)テレビ信号を取り出す壁面のテレビ端子衛星放送(BS・CS)と地上放送の信号を分ける機器。テレビの入力端子が衛星と地上で分かれているために必要テレビ信号を伝送するためのケーブル。一般的に周波数が高いほど多く減衰する傾向がある分波器(3,224MHz仕様)同軸ケーブル(3,224MHz仕様)役  割放送衛星からの電波を受信し、同軸ケーブルに伝送するテレビ信号を同軸ケーブルに分けるための機器※テレビ受信向上委員会セミナー資料より※テレビ受信向上委員会セミナー資料より6 「新4K8K衛星放送」が2018年12月に開始して1年が経過しました。新4K8K衛星放送は、これまでの衛星放送とは異なった規格で受信するシステムのため、4Kや8Kテレビの購入と合わせて、受信設備の改修が必要です。ところが多くのマンションでは、新4K8K衛星放送に対応する改修はあまり進んでいないのが現状のようです。 最近では4K・8K受信システムも多様化し、マンションでの設備改修についても事例が増えてきています。 今夏は東京五輪・パラリンピックが開催されます。管理組合としてなるべく早い対応をする必要があるといえるでしょう。 現在、家電売り場で新4K8K衛星放送に対応するテレビが売られていますが、一部ケーブルテレビやインターネットなどの配信サービス以外、対応するテレビを購入しただけでは一部の放送しか一般の家庭で視聴することはできません。 また、視聴するにしても4Kや8K対応のテレビでは受信機能のあるチューナーが必要となります。 加えてマンションで新4K8K衛星放送を見るためには、右左旋共用アンテナの設置や、ブースター、分配器などテレビ共同受信設備を3,224MHz対応機器へ改修することが必要です。 設備の改修には工事計画、資金調達、総会決議、工事発注などの手続きなど、工事完了まで長期間を要します。 ※現行のハイビジョン(2K)は2018年以降も継続して視聴可能。スーパーハイビジョン(4K・8K)を必要としない家庭では新しいテレビを購入しなくても、今のテレビのまま2Kのテレビ番組を見ることは可能です。○新4K8K衛星放送とは 新4K8K衛星放送は、現行のハイビジョン(2K)を超える超高精細な画質による放送をいいます。スーパーハイビジョンの解像度は4Kが約800万画素、8Kが約3,300万画素で、それぞれハイビジョン(2K)の4倍、16倍超となり、より立体感、臨場感ある映像を楽しむことができます。○新4K8K衛星放送を見るためには これまでBS放送、110度CS放送は放送衛星より右旋(うせん=右回り)の電波のみ送られていました。それを左旋(させん=左回り)も使って放送すると、右旋と同じ分の帯域が新たに使えることになります。この左旋の電波を使うことで新4K8K衛星放送を実現させています。 このため、新4K8K衛星放送を見るためには右左旋共用のアンテナが必要となり、使用周波数帯域3,224MHzまで対応する機器に変更(改修)する必要があります。4K・8K受信の基本基本的な改修方法(アンテナ、ブースター等の交換) 現在、使用しているパラボラアンテナを新4K8K衛星放送対応アンテナへ交換するとともに、建物内のブースター、分配器、テレビ端子等を3,224MHz対応品かつ電波が漏えいしない機器へ交換する必要があります。新4K8K衛星放送多様化する受信システムマンションでの改修工事の現状は?

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