大規模修繕工事新聞2019年9月号(第117号)
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給排水設備修繕の相談先の実力窓口担当者=給排水設備の知識はほとんどない技術担当者= 長年やっている担当者は知識を持っている。しかし会社利益ファースト。本音を引き出すのは困難給排水設備専門のコンサルタントは少ない。建築と設備両方の知識を有しているコンサルタントはほとんどいない。実態は専門工事会社がバックについている管理組合ファーストのパートナー選びを・全建センターからのアドバイス 屋外に設置されたFRP製の水槽は一般に20年~30年で迎えますが、当該マンションで調査診断したところ、1996年(竣工17年目)で受水槽、高架水槽更新は、やはり早すぎたようです。 全建センターとしては、管理会社は修繕履歴から今回の工事計画提案まで、会社の利益ファーストで適切な修繕アドバイスをしているとは思えないと助言しました。 情報をよく集め、管理組合ファーストで考えてくれる、信頼できるパートナーを選択しましょう。 また1998年(竣工19年目)で行った給水管更生は実際は不要で、竣工40年目にして提案された排水管更生についても、やっても意味がないと思われます。 雑排水管に使用されている排水銅管は腐食しにくく、また銅イオンの効果により、内面に汚れがつきにくい特性があります。このため当該マンションも更生工事の必要がないと判断しました。 検討に値する工事は更生後20年以上経過している給水管の更新。同時に直結増圧化を実施すれば、新築マンションと同様の配管経路が実現できます。 管理会社が提案していない工事では、最上階の伸頂通気管、炭素鋼鋼管のネジ接合部が腐食しているため、その部分のみの更新工事です。雑排水管に使用されている排水銅管最上階の伸頂通気管部分のみ更新する6http://free296.com■本社 〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-10-5 TMMビル7F TEL:03-6272-9068■埼玉営業所 〒336-0018 さいたま市南区南本町2-5-15-101 TEL:048-762-9573設計事務所と工事会社の2つを兼ね備えた会社です。大規模修繕工事なら、株式会社フリー・ステアーズにお任せください。■千葉営業所 〒285-0846 佐倉市上志津1658-5 TEL:043-464-7007■横浜営業所 〒220-0041 横浜市西区戸部本町51-15-415 TEL:045-594-9620■四国営業所 〒790-0864 松山市築山町12-30 カサグランデ築山105 TEL:089-948-9210全国建物調査診断センターに寄せられた相談で、「?(はてな)」のつく事例を紹介します。ただし、管理組合のみなさんが気づかないだけで、実はよくある例です。■事例マンション・埼玉県Cマンション・1979年2月竣工・SRC造・8階建て・113戸・修繕履歴 1.1995年: 量水器回り給水管交換、高架水槽回り配管更新、揚水ポンプ交換 2.1996年:受水槽、高架水槽交換 3.1998年:給水管更生・相談内容 管理会社へ長期修繕計画の見直しを依頼したところ、いきなり来年に給水管更新、直結増圧化、排水管更生工事を実施する項目を入れてきた。 総額1億円かかる工事計画である。管理会社も、管理会社が連れてきた業者も本当に施工能力があるのか信用できない。 そこで全建センターに無料調査診断を実施してもらい、管理会社の長期修繕計画が本当に正しいのかどうかを知りたい。①管理会社②改修コンサルタント③マンション管理士事務所給排水設備の知識を有している事務所はほとんどない<文/全国建物調査診断センター・給排水設備担当:淵上和久>管理会社の提案で全く効果のない工事の実施も!?事例と解説マンション設備改修のこぼれ話診断から工事監理までを社内で実行責任施工で大規模修繕工事を行います。

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