大規模修繕工事新聞2019年9月号(第117号)
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201995◇◇..5〈文/全国建物調査診断センター理事:菅純一郎〉 数か月後、総会にてセカンドオピニオン顧問契約の承認を経て、最初に取り組んだのは、毎月1回の勉強会や意見交換会です。理事長以下、男性1人女性2人が参加してくれました。問題山積み小規模マンション月1回の勉強会から意識改革を 2016年春、相模原市の18戸のマンションの理事長から相談があり、現地に赴きました。 当時、築18年。新築当時から漏水が頻発し、元施工ゼネコンにより防水工事等が実施されてきており、大規模修繕工事の実績はまだありませんでした。 その元ゼネコンもデベロッパーも数年前に破たん。管理は地元の不動産会社で、高額な割にまともな業務は行われていません。 そして、この理事長にとって最も頭の痛い要因は、居住者の無関心でした。 どう見ても問題点が山積するこのマンションで、私が理事長に提案したのが、セカンドオピニオン顧問契約でした。 まず、管理費は、自分たちでできることを自分たちでやれば管理会社への支払いは当然削減できることを説明。管理員に来てもらっている週3回のゴミ回収日について、「1回約1時間程度で済むゴミ出しとゴミ置き場の掃除をやってくれたら管理組合から2,000円給付しますが、やりますか?」と参加女性に聞いたところ、「やりたい」と言ってくれました。 管理費削減による財務改善が糸口になると考え、管理会社の業務内容を精査。明らかに他社への変更が良いと判断できたため、管理会社変更を提案しました。 管理会社変更では、地理的、物件規模的な条件を考え、適切と思われる数社に見積もり参加を依頼。当マンションにとって必要な管理業務内容、範囲、頻度をまとめた要求仕様書を作り、それを元に提案見積もりを取りました。 さらに各社にプレゼンテーションを行ってもらい、新たな管理会社でスタートしました。 それと並行して、建物の状況調査を実施し、最低必要と思われる、工事範囲、工事内容を仕分けし、報告書にまとめました。その報告書を定期勉強会で説明し、建物内見学ツアーなどを開催して居住者の意識を高めていったのです。〈次号につづく〉ISO9001・14001認証取得により、万全な品質管理と環境に配慮した施工管理システムを構築致し、お客様に安心とご満足を頂ける改修工事をご提供致します。実際にあったエピソード 第1回セカンドオピニオン制度利用でマンション管理刷新自立する管理組合

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