大規模修繕工事新聞2018年9月号(第105号)
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2018105◇◇..5 まもなく1回目の大規模修繕工事を終わらせようとしている都内某マンション管理組合でのことです。大規模修繕竣工記念イベントとして、マンションに居住のお子様向けに塗装体験&クラフト教室を開催いたしました。 多くのマンション管理組合にとって、大規模修繕工事をというのは管理組合をあげての大イベントになるでしょう。一方コミュニティーの希薄さを問題視されている管理組合も決して少なくないはずです。 ㈱ヨコソーではそのような管理組合に対して、少しでもお役に立てればとの想いで、このような住民参加型イベントを推進しています。 こちらのマンションは77世帯で構成される管理組合ですが、この日は大人30人、子供20人、合計50人ほどの居住の方々が集まりました。 まずは公道からエントランスにつながる壁を、作業員に道具の使い方を習いながら子供たち自身で塗装をしました。用意されたレインコートを身にまとい、塗料が衣服につかないようにしたものの、靴や髪の毛をペンキまみれにして楽しむ子供たち。取り囲む大人たちも、そんな子供力を和やかな目で見守っていました。 塗装体験の後は、共用スペースでクラフト教室を実施。小さな体験ですが、こんなところからモノを作る素晴らしさを感じてもらえたら、施工会社の本望です。 イベントの最後に理事会の役員のお一人がご挨拶されました。 「この子供たちがこの記憶を残して、20年、30年後に建物の維持修繕を担ってほしい」 共同体として良好な住環境を維持していこうというビジョンに基づいた管理組合の、ビジョン実現へ向けた一歩のお手伝いをさせていただけたことに、心より感謝いたします。 ㈱ヨコソーでは大規模修繕工事をコミュニティー形成の起爆剤としていただけないか、日頃から研究を重ねています。産学共同のプロジェクトとして、神奈川県内のいくつかの大学から『マンションコミュニティ活性化に改修工事を役立てるアイデア』の提案を募集する取組みも行いました。学生からは、フリーマーケットの実施やクイズ大会、昔遊び教室、子供の絵の展示会等々、実にユニークなアイデアが集まりました。このような企画も今後実現させていきたいです。 しかし、イベントを成功に導くための告知や集客については、管理組合のご協力なくしてあり得ません。 管理組合活動は、実務的にやるべきことが多くご苦労が多いことかと思います。 そんな中でも是非遊び心を持って、こうしたイベントの実施を多くの管理組合で推進していただけることを切に望んでおります。作業員に道具の使い方を習いながら壁にペンキを塗る子供たちクラフト教室での真剣なまなざしの子供たち。大規模修繕がコミュニティー形成の場となるよう、施工会社も管理組合にアイデアを提案している大規模修繕工事にこそ、住民参加型イベントを!㈱ヨコソー 経営企画部 馬 上 千夏子

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