大規模修繕工事新聞2018年9月号(第105号)
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..2018105おもしろコラム11NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2018年7月5日付第431号「論談」よりションでその傾向が顕著だ。 築50年の千葉市の稲毛海岸3丁目団地(768戸)では3年前、鍵預かり制度をはじめた。認知症高齢者の鍵の紛失などが増え、70歳以上の高齢者を対象に、申請書と引き換えに鍵を預かる。さらに空き家所有者からも鍵預かりを広げ、合わせて80戸から預かって管理組合の金庫に厳重に保管する。 高齢者からは無料、空き家所有者からは点検費用として3カ月ごとに1,500円とこちらは有料。全戸768戸のうち10%超の80戸で利用があり、利用率は小さくない。 鍵預かりで、部屋に立ち入られる不安が懸念されるが、住民と管理組合との信頼感がしっかりしているから、トラブルはゼロ、という。 横浜市の民間マンション(426戸)は、全戸の鍵を管理会社が預かる。こちらは約7年前から開始。東ちょっと一息 今年の酷暑で外出もままならず、テレビで映画を見る機会が多かった。最近は、ネット配信の映画システムが充実して、テレビ画面で簡単に見ることができる。私が利用しているのはNETFLEXamazon映画、dTVであるが、これらを見るのに要する費用合計は、映画を1回見る費用程度なのもうれしい。 英「エコノミスト」の最近の記事によると、NETFLEXが投入する今年のコンテンツ予算は130億ドル(約1.4兆円)で、そのうち85%はオリジナルのドラマシリーズや映画に投じられるという。この予算は、ハリウッドの映画制作予算をも大幅に上回る規模だ。同社は今年、82タイトルの新作オリジナル映画が視聴可能にする予定だ。ワーナー・ブラザースが今年公開する映画は23作品、ディズニーは10作品にとどまっているのに対し、同社の投資金額は、抜きん出ている。 ひるがえって、わが国では、NHKの料金徴収に関する妥当性が問題になっている。ネットとテレビの融合化時代に備えて、テレビがなくてスマホだけ持っている場合にも、料金支払いを義務化する方向だという。島国根性というか、既得権にしがみつく輩が多く情けない。 世界的にみても豊富な資金量を有するNHKは、NETFLEXに対抗して、国内だけでなく世界に打って出て、自ら稼ぐくらいの視野と度胸をもってもらいたいものだ。 うっかりして鍵を落とした、忘れたといった鍵をめぐるトラブルが増えている。 超高齢化、認知症高齢者の増加が進む築30年後半、40年以上のマン日本大震災の経験から、大震災などいざというときに管理会社が鍵を預かっていれば、帰宅困難などで家族がバラバラになった時などに救いになる、また平時の鍵忘れにも対応できる安心感からこの制度をはじめたと理事長は強調する。 このマンションは東日本大震災では大きな被害はなかったが、管理会社に防災対策の整備を要求、管理組合自身もフロアごとにフロアにリーダーを決め、防災会議を開くなど防災に強いマンションを目指している。 3年に一度、昼間の連絡先、血液型の登録を更新する。住民が若いせいか、制度発足以来、預かった鍵の利用の事例は発生していない。 鍵預かりについて大手管理会社に聞くと、管理員の人手不足から広げるのは難しい、と口をそろえる。実際に引き受けている一部の管理会社は管理組合と契約を交わして引き受けるが、実際は警備会社に委託しているのが実情、という。高齢者の多いマンションでは気心の知れた友人同士で緊急の時を考え、鍵を預け合うことは習慣化しているというが、鍵預かりの成否のカギはどうやら住民同士、管理組合と住民の信頼関係に尽きるようだ。NHKの有する映像資産だけでも莫大な資産を有している。民法と競合するような陳腐な映像作りでなく、世界に通用する作品をどんどん、作り出してもらいたいものだ。 最近、耳が遠くなり、テレビの音声(特に言葉の識別能力の低下が著しい)が聞き取りにくくなってきて、洋画を字幕で見る方がいい。 今後、AIのさらなる進歩で、洋画の音声が自動的に日本語で聞こえてきたり、字幕も自動的に出るようになる。逆に、日本語の映像作品がそのまま他の言語で見られるようになり、アニメはもとより、多くの日本の映像資産も世界中に売れる時代になる。そうすれば、NHKが国民から強制的に料金を徴収するのでなく、NETFLEXのように世界中から広く薄く料金を徴収できる時代だ。(文:ジャーナリスト・井上勝彦/絵:そねたあゆみ)(NPO日住協論説委員会)映画もネットの時代マンションの鍵預かりを考える

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