大規模修繕工事新聞2018年9月号(第105号)
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一般社団法人全国建物調査診断センター工事会社設計事務所 一般社団法人全国建物調査診断センター(全建センター、吉野笙一理事長)がこのほどスタートさせた、大規模修繕工事の新発注方式「トータルマネジメント(TM)方式」。すでに同様な方式を用いて管理組合と業務契約を結び、工事を成功させた実績のある人がいる。全建センターのセミナーでも講師を務める、一級建築士事務所リノシス・コーポレーションの佐藤成幸氏(マンション管理士)だ。管理組合に対し「マンション管理の手法については先入観を捨てたほうがいい」と助言する佐藤氏に、今後の大規模修繕工事のあり方を訊いた。− 大規模修繕工事の新しい発注方式とは? マンション大規模修繕工事の発注方式は現在、①管理組合と工事会社との間で工事請負契約を結び、工事会社に設計・施工・工事監理をすべて発注する「責任施工方式」、②設計・工事監理は設計事務所と委託契約を結び、施工は工事会社と請負契約を結ぶ「設計・監理方式」が一般的です。設計・監理方式①設計事務所と設計・監理 業務委託契約を結ぶ②工事会社と工事請負契約を結ぶ管理組合設計・監理業務委託契約工事請負佐藤成幸氏 全建センターがはじめた「トータルマネジメント(TM)方式」は、①の「責任施工方式」でありながら、全建センターが工事全体を管理するものです。②の「設計・監理方式」のように設計仕様書の作成や工事監理等は行わないものの、その分、工事費を低コストにでき、第三者の目も入るというシステムです。− 佐藤さんが実際に経験されたマンションでの経緯を教えてく 4年前ですが、築20年40戸の管理組合から相談を受けました。2回目の大規模修繕工事を行うにあたって修繕積立金がな①工事会社と工事請負契約を結ぶ②全国建物調査診断センターと管理契約を結ぶ契約ださい。4〈これまでの一般的な方式〉〈新  方  式〉責任施工方式工事会社と工事請負契約を結ぶ管理組合工事請負契約工事会社トータルマネジメント(TM)方式管理組合管理契約工事請負契約管理工事会社この人に訊く―マンション管理士・佐藤成幸氏―大規模修繕工事TM方式の事例紹介―考えを固定化せず、先入観を捨てて自分たちに適した方法の情報収集を

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