大規模修繕工事新聞 102号
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枝管が下階の天井内を通って共用立て管につながっている。枝管は専有部分でなく共用部分として取り扱うことが判例により一般化しているので、管理組合が主体となって改修工事に取り組むことになった。 スラブ下配管では、スラブ貫通部周辺からの漏水が多くなるが、実際、原因個所はなかなか突き止められない。この原因を突き止めるには浴室全体をリフォームすることが手っ取り早い。 しかし、各戸リフォームに任せておくとコンクリート床に埋まっている排水金物まで改修しにくいため漏水の原因個所はなくならず、また、各戸リフォームではスラブ下配管のままであることは変わらない。コンクリートに埋まった古い排水口はそのまま残され、漏水事故の危険性はますます大きくなる事態を招くことになる。 こうしたことから、管理組合が全戸一斉リフォームに導くことが理想的であるが、各戸の金銭的な問題やすでにリフォームしてしまったなどの理由で現実的ではない。その突破口として管理組合は「段階的スラブ上化改修手法」を選択した。今回は排水立て管の更新にあわせ、在来浴室のユニットバスリフォームを同時オプション工事として組み込むことで、一定数の浴室排水管のスラブ上化を実現する。今回の工事を見合わす住戸に対しては、将来リフォームする際に適切に排水管を接続することができる「スラブ上将来接続口」を設けて対応することとなった。 結果的に今回の工事で47%の住戸で一気に排水管スラブ上化が完成した。残りの住戸については、将来リフォー既存の洗濯排水トラップ(スラブ貫通部)排水トラップ撤去後本社を移転しました。浴室・洗濯排水スラブ床上配管化下階天井内にある既存の浴室洗濯排水管の撤去後〒171-0031 東京都豊島区目白2-1-1 目白NTビル6FTEL 03-6871-9951(代表) FAX 03-6871-99522「スラブ上将来接続口」を設置段階的に全戸スラブ上配管化を目指す 今回の工事は47棟・548戸のうち、5階建ての中層15棟・400戸の給排水管の更新工事がベースである。しかし、ここではオプション工事となった「ユニットバスリフォーム」に焦点をあてたい。 既存は在来浴室のスラブ下配管。上階の排水 File Data. 115 埼玉・川越市/かわつる三芳野団地管理組合管理組合

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