おもしろコラム 池田平太郎 立ち読み
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損な役回り、蒲冠者範頼範頼という人をご存じでしょうか。「源」と名が付くことでもおわかりのとおり、源氏の一門で、源義朝の六男、つまり、頼朝の異母弟にして源義経の異母兄に当たり、通称、蒲冠者範頼と呼ばれる人物です。ただ、二人の才人の兄と弟の間に挟まれ、どうしても影が薄く、また、源平絵巻を構成する上では、義経の功績を光り輝かせる上で損な役回りを背負わされたようですが、実際にはそれほど無能な人物でもなかったようです。源平合戦に置ける源氏軍の構成は、二人が共闘した宇治川、一ノ谷の両合戦に置いては本軍司令官・範頼、別働隊司令官・義経という割り当てになっており、それは、「凡将範頼が苦戦しているところを、天才・義経が寡兵を率いて姿を現し撃破」・・・という構図になりがちですが、義経の働きも結局は正面で敵を引き付けた本軍の激闘あってのことであり、範頼にしてみれば、「殆ど、戦ったのはこちらなのに、美味しいとこかばのかじゃ  源   源 019 第1章 日本の歴史に学ぶ

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