プラハの夜 立ち読み
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「そこで何してらっしゃるの?早く降りて来てくださらないかしら」かう最終バスの中でのことであった。された横顔に一目で心を奪われていたのかもしれない。こんな所で美女と出会うなんて、あまりにも陳腐なストーリーのようで気恥ず第一章 プラハの夜はどこまでも柔らかな灯りに包まれていた。旅装をとく間もなく、早速、一本の電話が鳴った。聞き覚えがある声だった。それも今しがた、空港からホテルへ向日本人らしきその人は一人でバスに乗っていた。私は、その洗練乗り合わせた女第一章 乗り合わせた女03    

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