photo俳句 8月号
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蟻牧の甘露いただく菊の蟻    菊が蕾を持ってきた。枝先にはアブラムシ(アリマキ)がびっしりついている。蟻牧(アリマキ)は「その細い口を菊に刺して、植物が光合成で生産した養分を吸い、甘い汁(甘露)を作り出し、その一部を尻から出して、アリに与える。アリはその甘露が欲しいためにアブラムシの面倒を見る。アリはアブラムシの天敵を追い払い、アブラムシが食物としている植物が弱ると、他の元気な植物に引っ越しさせるだけでなく、汚れて病気にならないように、アブラムシの体の掃除までしてあげる」(成田聡子著:<したたかな寄生 脳と体を乗っ取り巧みに操る生物たち>より)なるほど、アブラムシを水遣りホースで吹き飛ばしても、すぐにアブラムシが戻っていたのは、アリのしわざだったのか。蟻にとっては牧場のようなものだからアリマキ。合点。

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