photo俳句 2018年03月号
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老い桜見る人も老い長興山 http://kenken.vc/archives/16016http://kenken.vc/archives/16016朝から暖かい。急に思い立って、小田原、長興山紹太寺のしだれ桜を見に電車に乗る。ここの桜を見るのは5年ぶり、二度目だ。江戸時代の藩主、稲葉正則が植えたといわれ、樹齢約340年、高さ約13m、株元周囲約4.7mの大木だ。360段の階段を休み休み、やっと登る。途中、蜜柑を買い喉の渇きを癒す。蜜柑売りのおばさんに、桜への道を聞くと、台風で枝が折れてしまったので、往時の豪華さはなくなってしまったという。桜は満開ではあったが、どこか寂し気。頭髪が残り少なくなったような姿だ、集った人も多くは年寄りだ。近くに、若いしだれ柳が植えてあり、こちらの方が姿は元気で見事ではあるが貫禄はなく、まだまだ老木に頑張ってもらわねばならない。

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