大規模修繕工事新聞2019年7月号(第115号)
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201975事..3<文/全国建物調査診断センター・給排水設備担当:淵上和久>住宅金融支援機構提携金融機関株式会社 ジェイ・モーゲージ バンクマンション大規模修繕工事完成保証制度のご案内一般社団法人 全国建物調査診断センターマンション大規模修繕工事完成保証制度についてのお問い合わせはマンション大規模修繕工事を依頼している工事会社が、工事完成前に倒産しても、わが国初の『大規模修繕工事完成保証制度』なら“安心”です。万が一、工事完成前に工事会社が倒産しても、確実に工事を完成することができます。 2011年  直結増圧化工事、各戸メーター回り給水管更新工 この修繕履歴の上で、共用給水管の漏水における管理会社の調査提案が各戸メーター回りの抜管調査、内視鏡調査というのです。 これだけの給水設備の修繕履歴で、管理会社の提案が本当に問題を解決するのでしょうか?各戸メーター回り給水管はこんなに頻繁に更新をしなければいけないのでしょうか? 全建センターで有償調査を実施したところ、実際の漏水個所管理会社の提案で全く効果のない工事の実施も!? 全国建物調査診断センターに寄せられた相談で、「?(はてな)」のつく事例を紹介します。ただし、管理組合のみなさんが気づかないだけで、実はよくある例なのです。 相談があったのは2019年3月、神奈川県のAマンション(1981年竣工・154戸12階建て)。相談内容は、共用給水管で漏水が発生したため、管理会社から給水管劣化診断の提案があったことにはじまります。 管理組合では管理会社の提案と同じ内容で、全建センターからも見積もりを出して金額比較をしたいということでした。 この前提として、Aマンションの給水設備の修繕履歴は下記のとおり(管理会社が元請けで施工)。 2004年  共用部分・専有部分更生工事、各戸メーター回り給水管更新工事、廊下の天井にある共用給水管更新工事は共用廊下の天井に設置されている共用給水横引き管にありました。原因は2004年施工時の異種金属接合でした。 管理会社は会社の営業利益率を上げるため、短期で工事を発現させることを目的にします。その管理会社の提案する内容を管理組合が信じすぎてはいけません。 単に見積もりを比較して、安くできたと喜んでいる管理組合がありますが、実際は全く別個所の工事提案を受け、全く効果のない工事を実施しているケースが少なくないのです。 管理会社の提案を鵜呑みにするのではなく、実際の内容や効果の比較検討をするべきです。そのためには、適切なアドバイスを受けるための情報収集等が必要といえるでしょう。管理会社からは給水管調査個所は、各戸メーター回りの抜管調査、内視鏡調査の提案があった〒108-0075 東京都港区港南1丁目8番15号 Wビル8階実際の漏水個所(全建センターで有償調査を実施)。共用廊下の天井に設置されている共用給水横引き管で、原因は2004年施工時の異種金属接合にあった☎03-6304-0278管理組合様へ、  必ず工事会社にご相談下さい。事例と解説マンション設備改修のこぼれ話

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