大規模修繕工事新聞2018年12月号(第108号)
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建物外観コモンハウス屋上は25年保証の超耐久性屋上防水シートを採用施工前→施工中→施工後外壁タイル施工前→タイルの色合わせ→施工後2 築17年目の現在、はじめて大規模修繕工事を実施しているグランフォーレ戸塚ヒルブリーズ。現場代理人は「建物の状態は非常によい」と話す。その理由のひとつに免震構造があるのではないかという。 免震構造とは、免震装置の設置で建物と地面を絶縁(建物が地面から浮いているイメージ)し、建物に地震の振動を伝えないというもの。このため、躯体に与える影響は極端に少なく、タイルのひび割れやクラックなどの劣化が少なかったといえる。 実際の工事では、特に共通仮設計画がスムーズに行えた。管理棟であるコモンハウス内のシアタールームに現場事務所を設置し、トイレも管理組合から借用。エントランスホール内には見栄えの良いパーテーションで囲み、作業員詰所を設置できたことが工事費においても大きいといえる。 一方、建物は高台に立地し、戸塚駅からの高低差をみると、10階建てが20階、30階建てにも感じるほど。強い風が施工性に影響し、台風などで養生シートを畳んだり、広げたりの繰り返しを余儀なくされ、工期は2週間程度延びるという。 また建物構造では、1棟にエレベーター3基あるが、このエレベーターごとに共用廊下が区画されている。このため建物内で作業員の横移動ができず、作業効率に影響があったという。「1棟につき、3工区で行った感じです」と現場代理人は話している。 さらに今回の工事の特徴としてあげられるのが、屋上防水で25年保証の超耐久性屋上防水シート「POLYFIN(ポリフィン)」を採用したこと。防水材はドイツで開発された特殊ポリオレフィン樹脂から作られたもので、定期点検に加え、10年ごとの小規模メンテナンスにより半永久的な屋上防水を実現できるという。 理事長の吉田郁夫さんは「免震構造のおかげで赤外線調査等でも外壁の傷みは少なかったが、シール等の劣化が進んでいたので工事に踏み切った。約3年前より居住者への工事概要の説明等行っていたので、特にトラブルなく工事は進んだが、猛暑のなか職人さんも含め、日常生活に File Data. 121 横浜市/グランフォーレ戸塚ヒルブリーズ管理組合免震構造で「建物状態は非常によい」特殊建材採用、さらに修繕周期を延ばすリニューアル事業本部管理組合

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