大規模修繕工事新聞1801(97号)
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201815..5 2018年12月から始まる4K・8K実用放送は現行の衛星放送とは異なる仕組みで放送されます。現在、販売されている4Kテレビや4K対応テレビにはBS、110度CSによる4K・8K実用放送の受信機能は搭載されていません。 このため、マンション共聴設備の改修や専用の受信器等の設置が必要となり、今のまま4K対応テレビを購入しても、画像は4Kとはならないのです。 では、実際、マンションではどのような改修が必要となるのでしょうか。ができません。●4K・8K受信への対応工事 4K・8K電波に対応する器材とするには、周波数では約3,224MHz(メガヘルツ)で動作する性能・機能にしなければなりません。 共用部分に設置されている器材については、①電波を受信するアンテナ②受信した弱い電波を大きくする増幅器③増幅器で大きくなった電波を各世帯に分ける分配器④上記機器を結ぶケーブル⑤上記分配器から専有部分に電波を運ぶケーブル、これらを4K・8K対応器材に交換する必要があります。 このほか、専有部分では⑥共用部分からの連続しているケーブル⑦ケーブルからから電波を取り出すユニットの改修です。 改修工事をする上で、特に注意したいことは下記の3点。1) ケーブルが各階にまたがっているために1世帯単独で工事※ 昭和時代のマンションは上の階から下の階まで1本で接続されています。仮に5階建てであれば、縦方向5世帯が同時に入室作業となり、日程調整ができないと工事ができないこともあります。2) 平成以降のマンションであれば、共用部分から1本の専用ケーブルが各戸に導入されています。    しかし、専有部分に配置されている分配器から各部屋にテレビのケーブルが複数施工されているマンションでは、交換ができないケースがあります。3) 最大の問題は、4K・8KはBS1の2倍の周波数があるため、BSで受信できても、仮にマンションの規模が大きい場合、末端まで電波が受信できる大きさで届けることができないという点です。    現状の2倍の周波数を受信しても、上図のように、共用から分配器より下流の専有部分までいくと周波数が減衰され、4K・8K用のケーブルに交換しても映らない可能性があるのです。    まずは自分のマンションのテレビ配線の現状を確認することが必要でしょう。●まずは専門家へ相談を 「現在の2Kで十分満足」という家庭もありますが、マンションという集合住宅では全戸対象にものごとを考えなければなりません。東京五輪・パラリンピックを前に4K・8Kを見るための対応は社会的劣化から脱するひとつのマンションの付加価値です。 とはいえ、改修が簡単ではないマンションも少なくありません。 まずは専門家へ相談をして、なるべく早く4K・8K対応へのマンション内での合意を得たいものです。テレビ共聴アンテナシステムの場合マンションで4K・8Kを受信するためには?2018年12月から実用放送開始

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