大規模修繕工事新聞1711(95号)
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ちょっと一息..2017115NPO日本住宅管理組合協議会/『マンション管理の「なぜ?」がよくわかる本―管理組合運営読本―』よりン管理適正化指針でも同様なことが書かれている。 だが、こうした主張は「素人」と「専門家」をまったく対立する概念のように捉えすぎているように思われる。そこでは、「素人」もまた、一人の「専門家」であることが忘れられているのではないか。 何らかの分野で「専門家」である人も、専門分野以外では「素人」なのである。管理組合をみても組合員の中には一級建築士やマンション管理士も存在するであろう。しかし、彼らとて管理組合運営においては「素人」なのである。 そもそも管理組合運営における「専門家」なるものが存在するであろうか。なるほど、マンション管理会社というものが存在する。だが、それは管理業務を受託する専門的業者であって、管理組合運営の専門家とは言えない。 玄関に続くコンクリートの外階段の上でつまづき、3段下にダイビング。左腕で受け身をするも、骨折したようで、骨が飛び出ている。タクシーで市内の整形外科に行き、レントゲン検査を受ける。かすり傷の足の脛や右上腕部は消毒し、薬を塗ってもらい、骨折した左肘は添え木で固定、三角巾でつる。手術が必要とのことで、そのまま、救急車で市民病院に搬送され、再度、レントゲン検診。 3日後に入院、全身麻酔しての手術となった。実は、父を大腸癌手術の際の全身麻酔のミスで麻酔から覚醒しないまま、その半年後に亡くしているので、肘骨折手術程度で全身麻酔が必要なのか疑問に思ったが、先生の指示に従った。麻酔から覚めた時には、肘の手術成功よりも、麻酔から無事生還したことの方が嬉しかった。 病院内はWi-Fiが使えないので入院中、映画三昧にと、持参したiPadが使えない。1週間、パソコンから離れ、メールやSNSから解放され、終日、流れる雲や山の緑をぼんやりと眺めて過ごした。 途中、スマホならインターネットにつながるのではと試したら遅くはあるがつながる。2年前にスマホに変えたものの、電話とメール以外に使わなかった。ポケモンGOが流行ったときに、電話屋にいって、孫とこれを一緒にできるように契約内容を変えてもらったのだが、孫たちはすぐにこのゲームに興味を失い、一度も活用しないまま終わっていた。 スマホをミニコンピューターとして売り込まずに携帯電話機 先日、ある管理組合役員を対象にした講習会で、マンション管理士が「管理組合の役員は素人なので、マンション管理士などの専門家の助けを得る必要がある」との発言をしていた。確か、マンショ マンション管理士と言えば、それはマンション管理士資格に合格した者というだけである。その位置づけも、管理組合等への助言・アドバイザーというものであり、組合運営の専門家というわけでもない。 かくて、マンション管理組合運営は「素人」である組合員が担うしかない。しかし、「素人」という言葉を私たちは何も否定的にのみ受け取るべきではないだろう。素人には素人としての「常識」において、専門家とは独立した原理があり、その上に適切な「叡智(えいち)」が働くと考えることができる。それこそが管理組合運営を公正・合理・民主的に運営させていくものである。 組合運営における素人の「(健全な)常識」を洗練させ、「良識」としていくためには、他の管理組合をも含めた組合運営の諸経験を学び、それを共有・蓄積していくことが大事である。 そこに管理組合団体の存在意義がある。管理組合団体の活動はすでに40年超の歴史を持っている。そこには、「素人」として管理組合運営に長年携わってきたものがいる。仮に、管理組合運営の「専門家」というものがあるとしたら、あるいは彼らこそがそうなのではないか。素人の管理組合が「専門家」の専門知識を活用するというのであれば、そこに相談するのが適切であろう。 として販売した戦略が功を奏して今日のように普及拡大したのだという週刊誌の記事を読んだことがあるが、実際は高機能なパソコンそのものなので、パソコンとして十分使える。 とはいえ、キーボードに慣れた小生にはパソコンとしての使用はハードルが高い。なんとか、自分の開設しているHPからのリンクをたどって、いつも家のパソコンで聴いている「http://作業用.net」に接続し、ジャズに酔いしれた。このサイトにはJAZZ, R&B, BARのカテゴリーがあり、粋なバーに座り音楽を聴いている雰囲気が味わえる秀逸のサイトだ。サイトの名前とおり、作業中のバックグラウンドミュージックとしても役立つ。この中で、ギラ・ジルカの唄う「異邦人」に魅了され、ループ設定で繰り返し聴いた。 このほかには、「青空朗読」(http://aozoraroudoku.jp/)にもお世話になった。このサイトはインターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読するもので、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々から参加もあるという。 視覚障碍者はもとより、入院中の慰みにはうってつけだ。家では、青空文庫をipadで開き、このサイトでの朗読を聞きながら文字を追う読書スタイルをとっている。入院中、芥川龍之介、夏目漱石、寺田寅彦の小説や源氏物語を聴破した。 たまには、入院もいいもんだ。 (NPO日住協論説委員会)(文/ジャーナリスト:井上勝彦・絵/そねたあゆみ)おもしろコラム11たまには入院もいいもんだマンション管理における素人と専門家

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