大規模修繕工事新聞1708(92号)
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201785..5マンション設備の災害等での被害と対策 ※スロッシングとは…地震等で発生する振動によりタンク内の液体の表面が大きくうねる現象 熊本地震、東日本大震災による設備被害において、建物が壊れていない場合の建物の中の設備配管類は壊れていませんでした。敷地の外から内にはいるライフライン(給水・排水・ガス・電気)が傷んでいました。建物は基礎で固定されているので、建物自体がしっかりしていればよいのですが、屋外は建物に固定されていないので、損壊が多くみられたようでした。 地震による被害では屋外の排水桝管路が一番問題なのですが、(勾配が十分にとれる)高さがないと耐震性がないんです。フレキシブルな継手が排水設備の材料にはない。それを補修していくことになるが、高さがあると、勾配をとるような対応に変えることができます。 災害が発生した場合、すべての排水を禁止する管理組合があります。この場合、いつになったら使えるようになるのか、排水の安全が確認できたかどうかと管理組合が住民に発信するこ設備名給水設備(共用部分)部 位埋設給水管FRP水槽(受水槽・高架水槽)給湯設備(専有部分)排水設備(共用部分)電気温水器屋外排水桝管路①地盤沈下変異に排水管が対応できず、建物と屋外排水桝までの排水管の破損により排水まき散らし②地震により排水桝内のモルタル欠損やズレ、接続消火設備(共用部分)①屋外埋設管②屋上①屋外配線配管電気設備(共用部分)②盤類大阪支店:(06)4804-3123 神戸支店:(078)646-3511とが大事です。 排水管の使用の可否についての簡易確認には、①排水経路の設備を目視確認する②各戸の排水器具から横引き管、共用立て管、1階床下ピット内排水管、屋上排水桝などに異常がないか目視確認するなどの方法があります。 具体的に建物内の排水管が使用できるかどうかの確認には、色つきのトイレットペーパーをピンポン玉程度に丸め、最上階住戸のトイレから立て系統に流し、屋外排水桝の蓋を開けて流れてくるのを待ち、異常があるかどうかを見る方法があります。トイレットペーパー代わりにピンポン玉に番号をつけて流す方法もあります。(7月12日かながわ労働プラザ、神管ネット主催CPD事業セミナー「災害目線の大規模修繕~マンション設備の災害等での被害と対策~」㈲トム設備設計・町田信男氏より)被    害地盤沈下変異に給水管が対応できずに破損し、漏水・給水停止①スロッシングにより破損し、漏水・給水停止②スロッシングにより満減水警報発令③水槽は破裂しなかったが接続管の破損により漏水④水槽が基礎ごと倒れ漏水リフォーム交換時の固定不備による転倒で漏水管部の欠損③地震によりヒューム管(コンクリート管)接続部が欠損し、漏水①地盤沈下により埋設配管破断②屋上消火補給水管の転倒①地盤沈下により埋設配管破断②屋外独立設置盤類の転倒耐震管への更新①スロッシング対応水槽への更新②取り扱い説明書確認③地震対応緊急遮断弁の取り付け④建物内は躯体と一体となった基礎に固定、屋外は基礎杭を打った基礎ベースと一体に固定基礎固定3カ所と頂部転倒防止金物設置①地盤沈下対応配管に更新②現場打ち鉄筋コンクリート桝や塩ビ桝に交換③塩ビ管に交換①屋内消火栓管は耐震管である消火用ポリエチレン管に更新、連結送水管は3曲がり以上の沈下対策配管に更新②躯体+基礎+架台+水槽を緊結固定①フレキシブル管への更新と配線に余裕を持たせる②躯体等に固定するか、基礎杭付きベースに固定対    策熊本地震、東日本大震災の被害状況より躯体・基礎固定のない部位に損壊多しマンション設備の地震被害と対策まとめ

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