おもしろコラム 巨椋 修  立ち読み
6/18

あまり知られていないことだけど、江戸時代に「TKG]こと「卵かけご飯」はありませんでした。卵かけご飯が食べられるようになったのは、明治時代以降。もっといえば戦後に広まった食べ方なのです。なぜかというと、卵っていうのは、どんなところで採取されるのかを考えてみればわかります。人間に飼われている鶏であるなら、鶏舎なり鶏小屋。その卵はどのような状態かというと、鶏のフンまみれであったりして決して清潔とはいいがたい状態であったりします。また、昔は、いまのように無精卵ばかりではないので、卵を割ってみれば、血が混じっていたり、小さなヒナがいたりすることだってあるわけです。肉食に慣れたいまの日本人だって、そんな卵をみれば、食欲を失うことでしょう。まして、江戸時代のように、ほとんど肉を食べなかった日本人にとって、血が混じっ卵食の歴史009 第1章 食に歴史あり     

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る