おもしろコラム 巨椋 修  立ち読み
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あるいは、捕らえた野生動物のお腹に、採集してきた植物を詰め込み、丸焼きにすることで、肉はロースト(あぶり焼き)に、お腹に入れた植物は蒸し焼きにして、多様な味を楽しむこともあったことでしょう。この料理法も、現代でも多くの民族に伝わっています。やがて人間は、泥をこねて固め、焼くことによって土器を発明します。いまのところ、人類でもっとも古い土器は、日本の縄文土器だそうで約1万6千年前だそうです。土器など器を発明することで人間は水をお湯に変え、食べ物を煮ることを発見しました。また、一つの器に、いろいろな食材を混ぜ合わせて食べることも、やりやすくなりました。火と器の発明や利用は、まさに『料理』のはじまりでありました。人類は最初野生の動物を狩り、植物を採取することで生きてきました。それが1万6千年~7千年前に、動物を馴らしたり飼ったり、植物を植えて育てる●農業と動物を飼うということ  な  017 第1章 食に歴史あり

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